和の工作 3
議会制民主主義(代表者による決定)はそのための正当な制度として利用されます。
その結果、少数者は、かげで悪態をつき愚痴をこぼしても、結局、あきらめ、泣き寝入りするほかなかったのです。
多数決による意見決定の強行が根回しによる同意調達の失敗を現しているにもかかわらずです。
こうして「和のイデオロギー」は、現実には、事実としての利害の分裂をかくし、少数者の利益と権利を無視する強制規範としても機能するのです。
その際、しばしば引照された大義名分が、「地元の繁栄」、「郷土の発展」であり、この名分の下に「和気あいあいの話し合い」が特定の利益追求を可能にするのです。
戦後地域社会における本音の表出は、時に醜聞を生みつつも、根回しと制裁の方式が有効に働きうるかぎり、旧来の地域秩序を融解させることはなかったといえます。
・・・このように、「おのずから治まる」という自治観は、現実に事前工作を必要とするかぎり、「和のイデオロギー」として機能せざるをえないのです。