和の工作
もともと、人は十人十色で違うものです。
利害や意見に分化・対立が生じ、全員一致が望めないにもかかわらず、全員一致にしたいとすれば・・・
一方では、そのための事前工作、根回しにエネルギーをついやさなければならないでしょう。
他方で、これにあくまでも逆らう人間がいるならば、そういう不心得者を効果的に制裁・排除する必要が出てきます。
根回しというのは、いうまでもなく、だれにでも上手にできるわけではありません。
なによりも信用と人望を集めうる人柄と技量(異見を敏感にかぎわけ、相手と非公式の話し合いの場がもて、足して二で割る式の妥協を図りうる能力)の持ち主でなければなりません。
そうした人柄と技量をもちえてはじめて、全員一致の合意を形成するために情報と利益を操作する主体になりうるわけです。
実は、そうした信望の形成は、一定の安定した緊密な社会関係を前提にしています。
根回し運動は、利害関係者を特定し、そうした関係者から非公式かつ個別的に、ある決定の原案(腹案)について「同意」を確保することであるといえます。
この場合の同意は、必ずしも、積極的な合意形成としての「承認」を意味するとはかぎらないのです。